家づくりをするときに、家族が心地よく過ごせるように考えていくことは当然のこと。そして、家族の一員であるペットにとって過ごしやすい空間をつくるのも当たり前になってきました。特に猫は屋内で飼う人が多いため、室内のつくりにもこだわっていきたいですよね。今回は猫と暮らす家と題して、色々な実例をご紹介していきます。デザイン性だけでなく機能性も持ったインテリアを考えていきましょう。
猫がペットの数において犬を上回ったのは昨年のこと。とはいえ、室内で飼っている人も多いため、普段のくらしの中で、その数の多さに気づかされることは少ないかもしれません。多頭飼いすることも多い猫。屋内でも幸せに暮らしていくためには、広さというよりも高さに注目していくことが大切といいます。キャットウォークやキャットタワーのように、高低差を付けることにより、運動量を増やしてあげることができます。こちらの家では、造作家具の一部のようにキャットウォークがめぐらされています。シンプルでデコラティブな印象の空間になっていますね。
Photo: Shigeo Ogawa
▶「住まいの写真」ページでは様々な種類のリビングを紹介しています◀
猫も家族の一員。家族それぞれに自分の部屋なり居場所があるのであれば、彼ら専用のスペースをつくっていくのも自然な流れなのではないでしょうか。こちらのお宅は岡山の建築家・STAGE Y’S 一級建築士事務所の手がけたもの。犬と猫が楽しく暮らせるようにとさまざまな仕掛けが施されています。こちらはキャットウォークと階段、そして専用の通路まで!人間には無理な動線を室内に作り出すことによって、人間も動物も楽しめる住まいとなっていますね。
高い所が大好きな猫。高い所へのぼれるような仕掛けは、彼らの大好物です。こちらのお宅では、壁にランダムに木の板がインスタレーションのようにアレンジされています。これが猫用の階段。二階に抜けたり、さらにキャットウォークで空中散歩が楽しめたりする仕掛けとなっています。設計段階から取り入れていれば、素材を統一することにより、調和も生まれ、アーティスティックな印象のインテリアとも見えますね。
【猫と住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】
集合住宅やコンパクトな空間で猫を飼う場合には、キャットタワーが必須となりますが、なるべくシンプルなインテリアを作りたいという場合には、場所を取ってしまいがち。そうした方におすすめなのがこちらのような家具。一見、いろんなサイズの棚が組み合わされているようにも見えますが、よく見るとところどころに穴があいており、猫がすり抜けられるようなデザインとなっています。本や小物などを飾るスペースとして、また猫のお昼寝スペースとしても使えるため、両者にとってハッピーな家具といえそうです。
すっきりとした家づくりをめざすならば、やはり棚は造作して物を隠すように収納したり、また素材感を揃えることによってまとまりが感じられるようにしたりと工夫を凝らしたいものです。こちらのお宅では、同じ素材でランダムに釣棚が設置されています。こうしたアレンジの仕方もおしゃれですが、よく見ると一部はキャットウォークとして利用されています。それ単品でもデザイン性に優れているところがいいですね。