今の時代の別荘というスタイル10

Manami Sakaguchi Manami Sakaguchi
Seashore Shell House, Takeshi Hirobe Architects /株式会社 廣部剛司建築研究所 Takeshi Hirobe Architects /株式会社 廣部剛司建築研究所 Casas
Loading admin actions …

別荘というと一昔前までごく一部の特別な人たちに許された特権というイメージがあり、ステータスのシンボルでした。しかし今、セカンドハウスや週末住宅という名前に変わり、ごく一般のファミリー層にも広がりつつあります。それは今の時代だからこそ可能になったのかもしれません。セカンドハウスや週末住宅は、もうひとつの部屋を外に持つという感覚に近いそうです。今回は王道的別荘や気軽に訪れることができる週末住宅など、様々なスタイルがある別荘を紹介したいと思います。

王道的別荘

こちらはブラジルの建築家MAREINES+PATALANO ARQUITETURAが手掛けました。こちらは6つの小さな建物が集まって構成され、その屋根の一つ一つが葉っぱのような形をしています。上から見ると6枚の葉っぱが木々の間に咲く花のように見えます。周りの環境と見事に調和したリゾート感あふれる素敵な別荘です。そんな別荘のすぐ目の前には綺麗な海が広がっています。こんな別荘があれば日々の日常を忘れて、友だちや家族と楽しく過ごすこともできますね。

冬にも楽しめる海辺に建つ別荘

こちらは神奈川県を拠点に活動する株式会社 廣部剛司建築研究所が手掛けた海辺に建つ別荘です。目の前には水平線が広がり、海水浴場や隣家からの視線を遮りながら海と空の風景を切り取ります。貝殻をイメージした建物の中は1日を通して変化し続けます。波の音を聴きながら水面のうねりを眺め、冬の時期には正面に沈むように設計された夕陽を一人占めすることができるでしょう。夏だけでなく冬にも楽しめる週末住宅となっています。

photo:Koichi Torimura

非日常的空間である

こちらは東京を拠点に活動するARTECHNIC ARCHITECTS/アールテクニックが手掛けた別荘です。林の中に巨大な貝殻のような構造体が落ちているように見えるこちらの別荘の内部は、まるで私たちが想像するような宇宙船のイメージとなっています。そんなこちらの別荘は自然と一体になって1日眺めていても飽きない風景を作り出します。自然に囲まれた中にたち、都会にはない非日常的空間を味わうことができるでしょう。

photo:Nacasa & Partners Inc.

自然を楽しむ週末住宅

八ヶ岳の南麓付近、標高約1000mに位置するこちらの別荘は東京を拠点に活動する森吉直剛アトリエが手掛けました。都心に住むクライアントさんの要望は、家族や友人らと広い土地を使って自然を存分に楽しめる週末住宅でした。都心では味わうことができない、また自宅でもない週末住宅は英気を養ってくれる場所となるでしょう。そんなこちらの週末住宅は敷地全体を緩やかに囲うことによって、視覚的に自分の領域として認識できるようにしながらも、閉鎖的でなく廻りの自然と馴染むことができるようになっています。また斜めの壁と片流れの大屋根が室内から自然への視野角を広げて、建物と自然をバランスよく見せています。

自然と共感できる別荘

西側に田んぼが広がるおおらかな敷地に建つこちらの別荘は、東京を拠点に活動する久保田章敬建築研究所が手掛けました。周囲の静けさを壊さないようにひっそりと佇むこちらの別荘。自然の輪郭にそっと置かれた箱のようです。また田んぼに面する外壁に設けたリズミカルな開口部は、内部から見える景色を様々に切り取ってくれます。別荘は山や海など自然の中に建つことが多いと思います。その自然を壊さず共感できることが1番重要となってくるのだと思います。

自然の中に建つということ

こちらも自然を壊すことなく周囲に溶け込んだ別荘となっています。東京を拠点に活動するカスヤアーキテクツオフィス(KAO)が手掛けました。美しい景観で知られる安曇野にあるこちらの別荘。そこには景観条例が掛けられており周囲の環境に即した建築形態が求められました。やはり自然の中に建つということは想像以上に難しいものです。しかしそれを可能にしたひとつがガルバリウム鋼板です。シンプルで周囲に溶け込みやすいガルバリウム鋼板は耐久性が高いため、メンテナンスもめったに必要としません。それは別荘に求められるひとつの要素だと思います。

写真:吉村 昌也

趣味のためのセカンドハウス

高知県東部、眼下に海を見渡すことができる高台に建つこちらのセカンドハウスは高知県を拠点に活動するキリコ設計事務所が手掛けました。この環境を活かし退職後ゆっくりと趣味の時間を過ごせる空間がここにあります。1万冊の本やCDが収納可能な書斎とつながる読書デッキは半屋外空間にもなり、最もこの環境を肌で感じられる特異な場所となっています。読書だけでなく、太平洋に沈む夕陽を眺めながら会話を楽しんだりすることもできるでしょう。別荘は友だちや家族と大勢で楽しむのもいいですが、このように静かに趣味に没頭する空間として使用するのもまたいいですね。

別荘は大きなくてもいい

こちらは山梨県を拠点に活動するCOTTAGE STYLE(コテージスタイル)が手掛けたログハウスの別荘です。別荘は何も大きくなければいけないことはありません。広さわずか6.1坪のこちらのコテージの中には生活のすべてを納めた独自の間取りとなっており、広ささえ感じられるようになっています。建物が小さければ動線も短くすみ、メンテナンスの手間も最小限、冬の暖房も効いて暖かいなどメリットはたくさんあります。週末オフィスとして使用する場合でも仕事がはかどることでしょう。こんなかわいい別荘があったら素敵ですね。

玄関がない別荘

こちらは沖縄県を拠点に活動するIKUYO NAKAMA ARCHITECT DESIGN OFFICEが手掛けた別荘です。どの居間からも遠くに海を臨め、広庇を通して空と木々に繋がります。昔の沖縄の家のように、玄関という空間はあえてつくらずに庇と縁側で人を温かく迎える作りとなっています。そんな別荘は誰もが訪れやすい沖縄ならではと言えるでしょう。

日常の延長線上にある別荘

こちらも縁側で人を迎える、定年退職後のご夫婦のための別荘です。大阪を拠点に活動する株式会社 遊墨設計が手掛けました。今までの別荘といえば日常と切り離した非日常的空間を味わえる場所でしたが、こちらは日常の延長線上にある空間のような気がします。多くの来訪者を出迎えるための大きなアイランドキッチンや、室内と屋外をつなぐ広い檜材の縁側。それは近隣とのコミュニケーションの舞台にもなっています。

¿Necesitas ayuda con tu proyecto?
¡Contáctanos!

Destacados de nuestra revista